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神さまの道具 (覚 和歌子)

その絵は
ひとのよろこびやかなしみをこえた
はるかな国からやってくる
もの静かな目の奥に
少年みたいな女の子を住まわせて
あなたは今日も
お箸を持つ手に絵筆を握る

屈託のないRをさかいめに
絶妙にとなり合う無農薬果汁の色彩
あまたの過去生と
あらゆるこの世の心持ちを引き受けて
超然と空中にこしかけ 森で粉を練る
誰でもない(からこそ 誰にでもなれる)人物たち
あなたが繰り出す夢を心の器にして
わたしたちは
自分をたましい丸ごとだきしめたくなる
ぎゅっと あるいは ふんわりと

生まれる前に決めてきたことなのだと
あなたはもはや観念している
肩凝りと寝不足の運命にあらがわず
きんつばと大福を生涯の友に
神さまの道具として生きることを

すべてのモノ作りがそう願うように
きらめくアイディアを
よろこびやかなしみを
こえたところからよびよせて

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*詩人の覚 和歌子さんがデナリに贈ってくださった詩です。

Copyright Mai Ohno 2012/9/18